木工職人の話

接ぎ合わせた一枚板天板の削り方

今回は接ぎ合わせた天板の目違いを直して平滑を出す方法です。

座卓の天板を仕上げていきます。これははぎ合わせているところです。

一枚板の天板を削る方

次に、一枚板の天板を削るのには、どうしたらいいかを考えていました。

大手家具メーカーでしたらNCルーター(コンピュータ制御のルーター盤)などで大きな一枚板テーブル天板を簡単に削ることができますが、大きな一枚板は木の伸縮が激しいので、手を抜くと反ってしまいます。

NCルーターでは大きさも板厚もマチマチなのでセットが面倒なんですね。だから、化学塗料(ウレタン塗装など)で表面を塗って、木の呼吸を止め、伸縮を防ぎます。

NCルーターやワイドサンダーがない場合は、どうすれば早く安価で一枚板の天板削りが出来るかを考えてました。

そこで色々と調べていたら電動工具のハンディルーター(手持ちのルーター)を使って、大きな一枚板でも簡単に削れることを発見したんですね。

それは治具を作ってやる方法です。この治具があると簡単に天板の厚みを決められるのです。

一枚板の天板を削るためのルーター治具の作り方

まずは平面の出ている床、作業台上に一枚板天板を置きます。

その時、天板のひねリが大きければ電気カンナで少し削り、ある程度の平らな面をつくります。その面を下にして置きます。それでもガタつく場合、作業台と板の間に、くさびや木を差し込みガタつきを防止します。

次に天板より少し高めのフェンスを作り固定します。

それでフェンスとフェンスの間に橋を渡して、ルーターをその中に入れて少しずつ削るだけです。

まずは天板を置く台を2本とそれをまたぐ背丈がある板を2本、それとルーターを乗せる橋渡しの台を一つ作ればOKです。

写真のような感じに置きます。それで後は何回も手前奥と移動させながら削って行きます。

一枚板の天板がハンディルーターと治具を使って、綺麗に削れました。

このやり方を考えた人は頭が良いですね。無ければ工夫して作ればよいのです。

やり方次第で何とでもなります。治具が作れるかどうかにかかってきます。皆さんも工夫して木工を楽しんで下さいね!

真樺の無垢材を使用した座卓の完成までの様子をご紹介

  • この記事を書いた人

かなもく

1961年東京都町田市で生まれ育ちました。 子供のころはまだ町田にも田んぼや畑が沢山あり、自然にあふれた町でした。 泥まみれで良く遊ぶ元気な子供でしたね。 この伊豆に来たのは1994年(平成6年)です。1996年(平成8年)に近所にある家具工房に務める様になり、そこで14年間近く務めました。 そして2010年に独立、今に至っています。

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