木工職人の話

道具のお話『スコヤ』

スコヤは材木に当てて毛引く(線を引く)時に使う物です。
直角や45度に線を書いたり、スコヤを当てて丸鋸で切ったりします。

スコヤは、工具の一種で精度が求められる直角の確認と金属にケガキをする時、木材に墨付けする時に使用します。
同様の工具に指矩(指金)がありますが、スコヤは指矩より小ぶりで、目盛りがせいぜい15〜18cm程度で多くはステンレス製(一辺が真鍮仕上げのものもある)で表裏共に目盛りがついており、L字型の形態のものです。
主として模型製作のような、比較的小さく精密な寸法を要求される工作作業の際に、寸法を直接読み取りながら、材料や工具の直角を出すためのガイドとして用いる事が多いですね。
指矩とは異なり、表裏共にメートル法に基づく目盛りが刻まれている物もあります。目盛りが無ぃ、純粋に直角を測るだけの物もあります。

指矩との大きな違いは、指矩は縦横方向とも薄い金属板からなるのに対して、スコヤは短い側の辺の作りが土台のようになっていて、その直角になる部分の根元から長い側の辺を土台に食い込ませている構造になっています。
指矩は対象物に対して線状に接触するだけであるため、凹凸による精度は曖昧になるが、スコヤは台側を、基準面となる定盤(じょうばん)のように凹凸まで含めて精密な平滑面に密着させながら、残る辺で新たな点や線、面に「けがき」や位置の確認などを行うのに用いられます。
このため、指矩は計測する際に短い辺も長い辺も外側部分(または両方内側)を当てて計測しますが、スコヤはまず台側を基準面に密着させてから計測したい部分に当てて使うことが多いです。両者ともに「直角を測る」ための道具である事から、スコヤを指矩のように使うこともできますね。

スコヤの語源は直角を意味する英語のsquare(スクエア、スクウェア)からきていると言われています。

木工には必要な道具ですので、木工を始められる方は揃えて下さいね。

  • この記事を書いた人

かなもく

1961年東京都町田市で生まれ育ちました。 子供のころはまだ町田にも田んぼや畑が沢山あり、自然にあふれた町でした。 泥まみれで良く遊ぶ元気な子供でしたね。 この伊豆に来たのは1994年(平成6年)です。1996年(平成8年)に近所にある家具工房に務める様になり、そこで14年間近く務めました。 そして2010年に独立、今に至っています。

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