木工職人の話

無垢材の天板の吸い付き(反り止め)

今回は、接ぎ終わった無垢材天板を反らない様にする為の吸い付き(反り止め)作業をします。

蟻組の仕口を作ります。

まずは今回も蟻組で考えていますので天板に蟻組の仕口を作っていきます。
その時に使う道具は、ルーターという道具を使います。ルーターに使う刃は次の写真の通り、蟻組の時に使うダブテールビットを使います。

これがダブテールビットです。ルーターにセットします。

このダブテールビットの刃をセットしたら、治具を作って同じ広さに彫れる様にします。

ルーター用の治具を作成

これが治具でルーターをセットした所です。

治具を天板にバイスで動かない様に締め付けます。

この状態でルーターを押切りしていきます。その時に無理に押して行くと歯が折れる時がありますのでゆっくり確実に押して下さい。

こんな感じに蟻溝を掘っていきます。これで溝は出来ました。

次は脚の方です。まずは木をサイズに切り、厚みを決めます。

それから面取り機に先程のダブテールビットをセットします。

このとき、試しに同じサイズの物を作っておき、何回か試しに削っていきます。それを天板の溝に刺してみて、丁度良ければ本番に取り掛かります。

こんな感じに削れていきます。

下の部分が天板の所に吸い付く様に押し込んでいく部分です。

蟻組の加工が出来ましたら、今度はこの木に脚用のホゾ穴をあけます。

まずは鉛筆で印をつけてホゾ穴を開けていきます。今回も二段の二枚ホゾにしました。角のみの機械を使って開けていきます。

完成品がこちらです。参考になれば幸いです。

  • この記事を書いた人

かなもく

1961年東京都町田市で生まれ育ちました。 子供のころはまだ町田にも田んぼや畑が沢山あり、自然にあふれた町でした。 泥まみれで良く遊ぶ元気な子供でしたね。 この伊豆に来たのは1994年(平成6年)です。1996年(平成8年)に近所にある家具工房に務める様になり、そこで14年間近く務めました。 そして2010年に独立、今に至っています。

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